明治神宮での厳かな結婚式に憧れを抱いているものの、いざ準備を始めると「右殿」と「左殿」という二つの選択肢に気づき、その違いが分からずに悩んでいませんか。どちらの斎場が自分たちの理想とする結婚式の雰囲気に合うのか、一生に一度の選択だからこそ、失敗や後悔はしたくないものです。この記事では、明治神宮の右殿と左殿の違いを明確に解説します。挙式が行われる神楽殿や儀式殿の基本情報から、結婚式右殿の持つ開放的な魅力、そして厳かな左殿の雰囲気までを詳しく比較します。さらに、そもそも明治神宮で結婚式を挙げるメリットや、知っておきたい結婚式の流れ、祀られている神様が複数いるのか、そして誰が祀られていますかといった疑問、さらには神社での席次でどちらが上座かという作法に至るまで、あなたの全ての疑問に答えます。
- 右殿と左殿の雰囲気や特徴の具体的な違い
- 明治神宮で結婚式を挙げることの特別な価値とメリット
- 申し込みから挙式当日までの準備と流れ
- 御祭神や作法など、知っておくべき背景知識
明治神宮の右殿と左殿の違い【完全比較ガイド】
結婚式の雰囲気は右殿の開放感と左殿の荘厳さが魅力
右殿と左殿、この二つの斎場における最大の違いは、言葉にするならばその「雰囲気」に集約されます。どちらかが優れているという序列はなく、お二人がどのような結婚式を心に描いているか、その理想像によって最適な選択は自ずと変わってきます。ここでは、両斎場の具体的な特徴を比較しながら、それぞれの固有の魅力を深く掘り下げて解説します。
比較項目 | 右殿 | 左殿 |
雰囲気 | 明るく、開放的 | 厳かで、神聖 |
採光 | 大きな窓から自然光が入る | 窓がなく、照明のみ |
特徴 | 新緑や紅葉など季節を感じられる | 天候に左右されず、厳粛な空間 |
収容人数 | 48名 | 48名 |
おすすめのカップル | ナチュラルで明るい雰囲気が好きな方 | 伝統的で厳かな雰囲気を重視する方 |
明るく開放的な「右殿」
右殿の空間を最も特徴づけているのは、斎場の片側一面に設けられた大きな窓の存在です。その窓の向こうには、都心とは思えないほど豊かな明治神宮の杜の緑が広がり、季節や時間によって表情を変える柔らかな自然光が、お二人の門出を優しく照らします。この設計により、非常に明るく清々しい、開放的な雰囲気の中で式を執り行うことができます。
春には生命力あふれる新緑が、秋には錦織りなす紅葉が、お二人の儀式に美しい彩りを添える天然の借景となります。ナチュラルで温かみのある写真を残したい、自然との一体感を大切にしたいと考えるカップルに特に人気が高い斎場です。また、ご参列されるゲストにとっても、閉鎖的な空間が苦手な方や、明るい雰囲気を好まれる方には、リラックスしてご列席いただける心地よい空間と感じられることでしょう。
厳かで神聖な「左殿」
一方の左殿は、窓が一切設けられておらず、厳選された照明の灯りのみが空間を照らす設計となっています。そのため、外の日常世界から完全に切り離されたような、非常に厳かで神聖な雰囲気が斎場全体に満ちています。
深い静寂に包まれた空間で、斎主が奏上する祝詞の一言一句が響き渡り、三三九度の盃を交わす儀式が厳粛に進んでいく様子は、日本の伝統的な結婚式が持つ美しさと精神性を象徴する光景と言えます。天候や季節によって雰囲気が左右されることがなく、常に一定の厳粛な空間が保たれるのも特徴です。「これぞ日本の神前式」というような、身も心も引き締まるほどの荘厳さを求めるカップルや、伝統と格式を何よりも重んじ、神様の前で粛々と誓いを立てたいと考えるカップルから、絶大な支持を得ています。
挙式を行う神楽殿・儀式殿と知っておきたい上座の作法
明治神宮でのご結婚式を検討される際、まず大切なのは、お二人の誓いの儀式が執り行われる神聖な場所について正しく理解することです。多くの方が、御祭神が鎮座されている荘厳な「本殿」で挙式を行うと想像されるかもしれませんが、実際に結婚式という特別なご祈願のために使われるのは、境内にある「神楽殿(かぐらでん)」という独立した建物になります。
神楽殿は、ご結婚式をはじめ、安産祈願や七五三詣など、人々の人生儀礼に寄り添うご祈祷を専門に執り行うための祈願殿です。その清められた殿内には、「右殿」と「左殿」という二つの儀式斎場が設けられており、どちらの斎場を選ぶかが、お二人の挙式の雰囲気を方向付ける重要な第一歩となります。
また、関連する施設として「儀式殿」という名称もございますが、こちらは明治神宮の結婚式披露宴会場である「明治記念館」に併設された式場を指します。明治神宮の神域である境内にあるのは神楽殿ですので、この点を明確に区別しておくと、会場選びや打ち合わせがスムーズに進むでしょう。
知っておきたい上座・下座の作法
神前式に臨むにあたり、新郎新婦やご両家の皆様が座る位置には、古くからの慣わしに則った深い意味が込められています。神社における席次では、神様が鎮座される御神座に最も近い場所が最上位の「上座」となり、そこから遠ざかるにつれて「下座」となります。
一般的に、神様から見て左側、つまり私たちが御神座に向かって右側が上位とされ、その反対側が次位とされています。この慣わしに基づき、神前式では御神座に向かって右側に新郎とご親族、左側に新婦とご親族が着座します。これは、古来の考え方で男性が上位、女性が次位とされたことに由来します。このような伝統的な作法やその背景にある意味を事前に知っておくことで、心構えが一層深まり、身の引き締まる思いで神聖な儀式に臨むことができるはずです。
明治神宮で結婚式を挙げるメリットとは
日本全国に数多ある神社の中でも、明治神宮での結婚式が特別な存在として多くの人々を惹きつけるのはなぜでしょうか。その理由は、単に知名度や格式の高さという言葉だけでは語り尽くせない、深い価値と魅力にあります。
象徴的な「参進の儀」
明治神宮の結婚式を最も象徴する儀式が「参進の儀」です。神職と巫女に先導され、新郎新婦とご両家の皆様が、本殿へと続く長い参道を雅楽の生演奏の調べとともに厳かに歩みを進めます。深く清らかな緑に囲まれた玉砂利の参道を、純白の白無垢や凛々しい紋付袴でゆっくりと進むお二人の姿は、まるで一枚の美しい絵巻物のよう。その日は偶然居合わせた国内外の一般参拝者からも、温かい拍手と祝福を受けながら歩むこの時間は、お二人にとって一生忘れられない、感動に満ちた体験となるでしょう。この儀式は、新しい家庭を築く二人が、神様と社会に見守られながら人生の新たな一歩を踏み出すことの象徴でもあります。
都心とは思えない神聖な空間
日本を代表する文化の発信地、原宿・表参道エリアに隣接する類まれな立地にありながら、一歩、鳥居をくぐり境内へ足を踏み入れると、そこには都会の喧騒が嘘のような静寂と、約70万平方メートルにも及ぶ広大な常緑樹の森「鎮守の杜」に包まれた神聖な空間が広がっています。この圧倒的な非日常感の中で執り行われるご結婚式は、お二人だけでなく、大切なゲストの皆様にとっても、心に深く刻まれる特別な思い出となるはずです。
参考資料:明治神宮『杜(もり)・見どころ』
世代を超えて愛される由緒
明治神宮に祀られている御祭神は、日本の近代化を導かれた明治天皇と、その皇后であらせられた昭憲皇太后です。ご夫婦として大変仲睦まじかったことでも知られるお二人の御神徳は、世代を超えて多くの人々の尊敬を集めています。ご両親やご祖父母の世代からの信頼も非常に厚く、この場所で式を挙げることは、ご家族にとっても大きな誇りと喜びとなることでしょう。さらに、ご結婚後も初詣やお子様のお宮参り、七五三詣など、ご家族の人生の節目節目に繰り返し訪れることができる「心のふるさと」のような場所になることも、明治神宮が持つかけがえのない魅力の一つです。
【後悔しない】明治神宮の右殿と左殿の選び方と全知識
結婚式の流れと祀られている神様について
お二人の理想に合う斎場を選ぶためには、当日の儀式がどのように進むのか、そして誓いを立てる場所の御祭神について理解を深めておくことが、心の準備として非常に大切になります。ここでは、ご結婚式当日までの具体的な流れと、明治神宮に祀られている神様について、より詳しく解説いたします。
申し込みから当日までの結婚式の流れ
明治神宮でのご結婚式を具体的に希望される場合、最初のステップは公式サイトやお電話を通じて、婚礼に関する相談の予約をすることから始まります。全体の流れを把握することで、安心して準備を進めることができます。
- 相談・会場見学
- まずは婚礼の担当者から、挙式に関する詳細な説明を受けます。その上で、実際に神楽殿の右殿と左殿を両方見学させていただきます。写真だけでは伝わりきらない、空間の広がり、光の入り方、音の響き、そして斎場を包む空気感を、ぜひお二人ご自身の五感で感じ取ってください。この段階で、どちらが自分たちの思い描く式のイメージに近いかを具体的に感じ取ることが、後悔しない選択への第一歩です。
- まずは婚礼の担当者から、挙式に関する詳細な説明を受けます。その上で、実際に神楽殿の右殿と左殿を両方見学させていただきます。写真だけでは伝わりきらない、空間の広がり、光の入り方、音の響き、そして斎場を包む空気感を、ぜひお二人ご自身の五感で感じ取ってください。この段階で、どちらが自分たちの思い描く式のイメージに近いかを具体的に感じ取ることが、後悔しない選択への第一歩です。
- 申し込み
- 挙式を執り行う日時を正式に決定し、申し込み手続きに進みます。この際に、神様への感謝のしるしである初穂料(挙式料)の一部を奉納することが一般的です。初穂料は単なるサービス利用料ではなく、御神前に捧げる神聖なお供え物としての意味合いを持ちます。現在の初穂料は150,000円とされていますが、ご検討の際には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。
- 挙式を執り行う日時を正式に決定し、申し込み手続きに進みます。この際に、神様への感謝のしるしである初穂料(挙式料)の一部を奉納することが一般的です。初穂料は単なるサービス利用料ではなく、御神前に捧げる神聖なお供え物としての意味合いを持ちます。現在の初穂料は150,000円とされていますが、ご検討の際には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。
- 衣装選び・打ち合わせ
- お申し込み後は、提携先の衣装店で、神前式にふさわしい白無垢や色打掛、紋付袴を選びます。日本の伝統的な婚礼衣装は、それぞれに意味や格式がありますので、専門のスタッフと相談しながら、晴れの日にふさわしい一着をお選びください。並行して、当日のタイムスケジュール、写真撮影のプラン、ご参列者の席次など、詳細な打ち合わせを重ねていきます。
- お申し込み後は、提携先の衣装店で、神前式にふさわしい白無垢や色打掛、紋付袴を選びます。日本の伝統的な婚礼衣装は、それぞれに意味や格式がありますので、専門のスタッフと相談しながら、晴れの日にふさわしい一着をお選びください。並行して、当日のタイムスケジュール、写真撮影のプラン、ご参列者の席次など、詳細な打ち合わせを重ねていきます。
- 挙式当日
- 当日は、ご両家の親族紹介を執り行った後、いよいよ神楽殿へと移動します。そして、雅楽の生演奏が響く中、神職と巫女に導かれて参進の儀を執り行い、お選びになった斎場(右殿または左殿)へと進みます。斎場内では、修祓の儀(お祓い)、祝詞奏上(神様への報告)、三献の儀(三三九度)、誓詞奏上(誓いの言葉)といった儀式が、約30分かけて厳かに執り行われます。
祀られている神様について
明治神宮にご鎮座されている御祭神は、日本の第122代天皇であらせられた明治天皇と、その皇后の昭憲皇太后です。この二柱の神様は、日本を近代国家へと導かれた偉大なご功績と共に、ご夫婦として生涯を通じて深く敬愛し合い、大変仲睦まじかったことでも知られています。そのため、夫婦円満や家内安全の象徴として、今なお多くの人々から深く敬われています。
ここでよくいただくご質問や誤解として、「右殿と左殿では祀られている神様が違うのですか?」というものがありますが、それは明確に異なります。御祭神である明治天皇と昭憲皇太后は、ご一緒に本殿の最も清浄な場所にご鎮座されています。神楽殿の右殿と左殿は、あくまでお二人が神様の前で夫婦の誓いを立てるための儀式斎場です。したがって、どちらの斎場をお選びになっても、お二人の御神徳を等しくいただくことができますので、どうぞご安心ください。お二人の選択は、あくまで理想の式の雰囲気に合わせるものであり、神様への敬意に差が生じることは一切ありません。
明治神宮の右殿と左殿の違いを知り理想の挙式を
この記事では、明治神宮の右殿と左殿の違いを中心に、結婚式を検討する上で知っておきたい情報を網羅的に解説しました。最後に、後悔のない選択をするための重要なポイントをまとめます。
- 最終的には自分たちが「ここで挙げたい」と感じる直感を信じる
- 明治神宮の結婚式は本殿ではなく神楽殿で行われる
- 神楽殿には右殿と左殿という二つの儀式斎場がある
- 両斎場の最大の違いは採光方法による雰囲気の違い
- 右殿は大きな窓から自然光が入り明るく開放的な雰囲気
- 左殿は窓がなく照明のみで厳かで神聖な雰囲気が特徴
- どちらの斎場も収容人数は48名で挙式料も同じ
- ナチュラルで温かみのある式なら右殿がおすすめ
- 伝統的で荘厳な「これぞ神前式」を望むなら左殿
- どちらの斎場を選んでも御祭神のご神徳は変わらない
- 御祭神は明治天皇と昭憲皇太后の二柱の神様
- 御祭神は夫婦仲が良く夫婦円満の象徴とされている
- 神職と歩む「参進の儀」は明治神宮ならではの体験
- 事前に会場を見学し自分たちの肌で雰囲気を感じることが大切
- 二人の理想の結婚式のイメージを共有することが選択の鍵