明治神宮へ参拝する際、多くの方がお守りの授与を考えます。特に、神聖な鳥居から作られると伝わる明治神宮 鳥居のお守りには、特別な関心が寄せられています。その具体的な効果や値段、そして境内のどこで買えますか?といった疑問から、他に有名なお守りは何があるのか、人気のこだまや勝守といったお守りの種類との違い、さらには最強と噂されるお守りの存在まで、知りたいことは尽きません。また、このお守りが御神木や何の木から作られているのかという由来、遠方からの郵送の可否、そして一年後のお守りの返納方法についても、正確な情報を得ておきたいものです。この記事では、それら全ての疑問に答えていきます。
- 鳥居のお守りが持つ特別なご利益とその由来
- こだまや勝守など他の人気お守りとの違い
- お守りの値段や境内で授与される場所
- ご利益を高める秘訣と古いお守りの返納方法
明治神宮の鳥居のお守りご利益と由来
絶大な効果と人気の理由
明治神宮の鳥居のお守りは、正式には「除災招福守(じょさいしょうふくまもり)」という有り難い名前で呼ばれています。その名の通り、「災いを除け、福を招く」というご利益を授けてくださるとされ、私たちの日常生活に潜む様々な厄災、例えば予期せぬ事故や病気、人間関係の不和などから身を守り、心願成就や家内安全といった幸運を引き寄せる、非常に力強いお守りとして多くの参拝者から篤い信仰を集めています。
このお守りがこれほどまでに人気を集める最大の理由は、その特別な「由来」にあります。これは単なる木製のお守りではありません。明治神宮の象徴であり、神聖な神域と私たちの日常の世界とを分ける「結界」の役割も果たす「鳥居」そのものが素材として使われているという事実に、他のお守りにはない神聖さと、計り知れないありがたみを感じる人が多いのです。
そのため、就職や結婚といった人生の大きな節目を迎える時、新しい事業や挑戦を始める心機一転の時、あるいはどうしても断ち切りたい悪い流れを変えたいと切に願う時など、特別な後押しを求めてこのお守りを授与される方が後を絶ちません。
御神木や鳥居の何の木でできている?
除災招福守の神聖さを裏付ける最大の特徴は、その「素材」にあります。このお守りは、明治神宮の広大な鎮守の杜に佇む御神木や、長年の役目を終えた鳥居の木材をいただくことで、一つひとつ心を込めて丁寧に作られています。
神様の力が宿る御神木と鳥居
「御神木」とは、神様の力が宿ると信じられている特別な木のことです。また、明治神宮の鳥居は、日本最大級の木造明神鳥居として広く知られています。特に創建当初の第一の鳥居は、台湾の阿里山(ありさん)で発見された樹齢1200年を超える巨大な檜(ひのき)が献木されたものでした。この台湾檜は、その耐久性や美しい木目、そして清々しい香りから、古来より神社仏閣の建材として最高のものとされています。
雷に打たれた歴史とその先の再生
実は、創建時の第一の鳥居は1966年に落雷によって損傷し、現在の鳥居は二代目にあたります。しかし、損傷した旧鳥居の貴重な木材は大切に保管され、その一部がこの除災招福守として再生されているのです。神域の清浄な気に長年触れ、風雪や雷といった自然の力に耐え抜いてきた木材だからこそ、そこには計り知れない神様の力が宿ると考えられています。日本における木材利用の重要性は、建築のみならず文化や信仰にも深く根付いています。
参考資料:林野庁「木の文化を支える森」
お守りの値段はいくら?
明治神宮でお守りを授与される際、私たちは代金を「支払う」という表現は使いません。代わりに、日々の平穏への感謝と神様への敬意を込めてお金を「お納めする」と考え、このお金を「初穂料(はつほりょう)」と呼びます。これは、その年の最初の稲穂を神様にお供えしていた古来の習慣に由来する、非常に丁寧な言葉です。
除災招福守(鳥居のお守り)の初穂料は、1体につき1,000円が目安とされています。しかし、この金額は将来的に変更される可能性もございますので、確実な情報を得るため、ご参拝の直前に明治神宮の公式サイトでご確認いただくことをお勧めします。そうすることで、当日授与所で慌てることなく、心穏やかに参拝に臨むことができます。
ちなみに、他の一般的なお守りも500円から1,000円程度のものが多く、家内安全や商売繁盛などを願う木のお札なども授与されています。
有名なお守りは何?こだまや勝守の種類
明治神宮には、ご紹介した鳥居のお守りの他にも、私たちの様々な願い事に寄り添う多種多様なお守りが用意されています。他に有名なお守りは何があるかを知り、それぞれの特徴を理解することで、ご自身の今の願いに最も適したものを選ぶことができるでしょう。中でも特に人気が高いのが、「こだま(開運木鈴守)」と「勝守」です。
こだま(開運木鈴守)
「こだま」は、心と身体の健やかさや、広く幸運を招くことを願うお守りです。その名は、森の木々に宿る精霊「木霊(こだま)」を彷彿とさせます。武蔵野の森の木々を象徴するような、手触りの良いコロンとした丸い形が特徴的で、優しく振ると中に入った鈴が「カラカラ」と心地よい音を奏でます。神道において鈴の音は、神様の注意を惹き、場を浄める力があるとされています。その清らかな音色が心を癒し、幸運を呼び込むと信じられています。木のぬくもりを感じられる愛らしいデザインも人気の理由です。
勝守(かちまもり)
「勝守」は、その名の通り、あらゆる勝負事に対する「勝利」を力強く祈願するためのお守りです。スポーツの試合や入学試験、大切な商談といった具体的な目標はもちろんのこと、病気や自分自身の弱い心に打ち克ちたい時など、人生における様々な「勝負」の場面で御神徳を授けてくださるとされています。近代日本の礎を築かれた明治天皇と、そのお側で支え続けられた昭憲皇太后の不屈の御心にあやかり、力強い精神力と勝利への導きを願う方に最適です。
これらのお守りの特徴を、鳥居のお守りと合わせて比較しやすいように表にまとめました。ご自身に最も合ったお守りを選ぶ際の参考にしてください。
お守りの名称 | 主なご利益 | 特徴 | こんな方におすすめ |
除災招福守(鳥居のお守り) | 災いを退け、福を招く | 神社の象徴である鳥居や御神木の木材を使用。力強い守護を願う。 | 総合的な厄除けや開運を広く願う方、人生の節目を迎える方。 |
開運木鈴守(こだま) | 開運招福、心身健全 | 清らかな鈴の音と木のぬくもりが特徴。癒しと幸運をもたらす。 | 心の平穏を求め、日々の暮らしの中に穏やかな幸せを願う方。 |
勝守(かちまもり) | 必勝祈願、自己克服 | 「勝」の文字が力強いデザイン。あらゆる勝負事での勝利を後押し。 | 受験、就職活動、スポーツの試合など、明確な目標を持つ方。 |
明治神宮の鳥居のお守り授与と注意点
境内ではどこで買えますか?
明治神宮の広大な境内でお守りを授与していただける場所、すなわち授与所(じゅよしょ)は、主に2箇所ございます。参拝者が迷うことなく、心穏やかにお守りを受けられるよう、それぞれの場所と特徴を把握しておくと良いでしょう。
一つは、御本殿に向かって右手側に位置する「神楽殿(かぐらでん)」です。神楽殿は、ご祈祷の受付を行う中心的な建物であり、その中で各種お守りやお札、御朱印の授与も行われています。御本殿に最も近い授与所ですので、参拝を終えた直後に立ち寄るのに非常に便利です。
もう一つは、南参道と北参道が合流する第二鳥居(大鳥居)のすぐ近くにある「長殿(ながどの)」です。こちらは参道沿いに面しており、特に人出の多い時期には多くの方が利用されます。どちらの授与所も参拝の際に自然と目に入る場所にありますが、ご自身の参拝ルートや境内の混雑状況に合わせて選ぶことができます。
授与時間は、明治神宮の開門から閉門までが基本となります。ただし、明治神宮の開閉門時間は日の出と日の入りに合わせるため、季節によって毎月変動します。例えば、夏は開門が早く閉門が遅くなり、冬は逆になります。特に早朝や夕方遅くに参拝される場合は、「まだ開いているだろう」と思い込まず、事前に明治神宮の公式サイトでその日の正確な時間を確認しておくことが、心残りのない参拝のための重要なポイントです。
郵送で授与してもらう方法
「遠方に住んでいて、なかなか東京まで参拝に行けない」「病気療養中や諸事情で、外出が難しい」といった方々のために、明治神宮では郵送によるお守りの授与も謹んで執り行っています。直接参拝することが本義ではありますが、やむを得ない事情がある場合でも、御神徳とのご縁を結ぶことができる有り難い制度です。
郵送をご希望される方は、まず明治神宮の公式サイトから申込書をダウンロードし、必要事項を正確に記入します。そして、希望するお守りの初穂料と送料を合わせた金額を、現金を安全に送ることができる郵便局のサービス「現金書留」で、申込書と共に明治神宮へ送付します。
申し込みが受理されると、神職の方々が丁重にお祓いをした清浄なお守りを、ご自宅まで送ってくださいます。この一連の手続きに関する最新の要項や申込書のダウンロードは、公式サイトで確認することが不可欠です。詳細は以下のページでご確認ください。
参考資料:明治神宮公式サイト「発送によるご祈願のお申し込みについて」
最強のご利益をいただくには
お守りのご利益を最大限に、そして「最強」の形でいただくためには、単にお守りを所有するだけでなく、持ち主としての日々の行動や気持ちのあり方が鍵となります。神様とのご縁を深めるための、いくつかの大切な心掛けをご紹介します。
常に身につける
お守りは、神様の御霊(みたま)が宿る「御分霊(ごぶんれい)」とも考えられる、非常に神聖な存在です。そのため、できるだけ常に身につけておくことが望ましいとされています。お財布や定期入れ、日常的に使うカバンなど、ご自身の生活の中で常に持ち歩くものに入れておきましょう。そうすることで、日々の暮らしの中で常に神様のご加護を身近に感じ、見守っていただくことができると考えられます。ただし、神様への敬意として、お尻のポケットに入れるなど、お守りをぞんざいに扱うことのないよう心掛けることも大切です。
感謝の気持ちを忘れない
お守りは、願い事を自動的に叶えるための魔法の道具ではなく、神様からの温かいご加護をいただくための「ご縁のしるし」です。ですから、ご自身の願い事ばかりを祈るのではなく、まずは今ある平穏無事な日々への感謝の気持ちを忘れずに持つことが何よりも大切です。時折お守りをそっと手に取り、「いつもお見守りいただき、ありがとうございます」と心の中で神様に感謝を伝えることで、より深いご縁が結ばれていくことでしょう。
丁寧な扱いを心掛ける
お守りは神様そのものと同じように、敬意をもって丁寧に扱うべきものです。神様への敬意を示す意味でも、お守りは大切に扱わなければなりません。例えば、地面に直接置いたり、汚れた場所に放置したりすることは避け、できるだけ清潔な場所で保管することを心掛けてください。また、お守りの袋を興味本位で開けてしまうことは、神様の力が逃げてしまうとされ、避けるべき行為とされています。袋も含めて一体のお守りとして、大切にしてください。
古いお守りの返納について
お守りが私たちを守ってくださるご利益の期間は、一般的に「1年間」が一つの目安とされています。これは、年が改まると共に神様の力も新たになるという考え方や、一年間の無事を感謝し、新たな一年へのご加護を願うという、日本の美しい習慣に基づいています。1年間お守りいただいたことへの深い感謝を込めて、古いお守りは授与された神社へお返しするのが最も丁寧な作法です。これを「返納(へんのう)」と呼びます。
明治神宮の境内には、南参道の神楽殿近くに「古神札納所(こしんさつおさめしょ)」という場所が常設されており、そちらで古いお守りやお札を納めることができます。納められたお守りは、後日「お焚き上げ(おたきあげ)」という神事によって、感謝の祈りと共に炎で浄められ、天上の神様のもとへ還されるのです。
もし遠方などの理由で直接返納に伺うことが難しい場合は、郵送での返納も受け付けていただけることがあります。その際は、現金書留の封筒などに「お焚き上げ希望」と明記し、感謝の気持ちとしてお焚き上げ料をいくらか同封するのが一般的です。この場合も、詳細は必ず公式サイトで確認してください。原則として、お守りは授与された神社へお返しするのが本義ですので、他の神社で授与されたお守りを納めることは避けるのが望ましい作法です。
まとめ:明治神宮 鳥居のお守り
- 明治神宮の鳥居のお守りは「除災招福守」が正式な名前です
- 災いを退けて幸運を招くという、力強いご利益を授かります
- 神域の神聖な御神木や、古い鳥居の木材から作られています
- 創建時の鳥居は樹齢1200年を超える台湾檜という貴重な木でした
- その特別な由来から、人生の節目に求める人が後を絶ちません
- 初穂料は1,000円が目安ですが、公式サイトでの確認が確実です
- 他にも開運木鈴守「こだま」や、必勝祈願の「勝守」も人気です
- ご自身の願い事に応じて、最適なお守りを選ぶことが大切です
- 授与所は御本殿近くの「神楽殿」と「長殿」の2箇所です
- 開閉門時間は季節で変わるため、参拝前に時間の確認をしましょう
- 遠方の方でも、公式サイトから郵送で授与していただくことが可能です
- お守りは神様の御分霊と考え、常に身につけ大切に扱います
- 願い事だけでなく、日々の平穏への感謝の気持ちを持つことが重要です
- ご利益をいただく期間は1年が目安で、その後は神社へ返納します
- 古いお守りは境内の「古神札納所」へ感謝を込めてお納めください